愛犬に生肉を与える前に知ってもらいたい6つのこと

生肉

生肉を与えても大丈夫なの?

ドライフード主体の飼い主さまから「生肉なんて与えて、大丈夫でしょうか?」といったお声を耳にすることがあります。

結論からいいますと、大丈夫です!

犬はもともと肉食動物であり、野生での生活においては主に他の小動物を捕食して栄養を摂取していました。

つまり犬にとっては生肉や生の内蔵こそが身体の構造に適している食事といえます。ドライフード主体だとどうしても生肉を与えることに不安をおぼえてしまうかと思いますが、ワンちゃんは大丈夫ですのでご安心ください。

ただし、これから愛犬に生肉を与えようと考えている飼い主さんへ、生肉の取り扱いについて知っておいていただきたいことがあります。

   

犬の食事に生肉に適している3つの理由

まずは、なぜ生肉が愛犬に良いとされるのか?その理由の中でも、特に知っていただきたい3つをご紹介します。

 

(1)生肉に適した身体を持っている

本来肉食動物である犬は、生肉に適した身体を持っています。

そもそも、草食動物や人間の歯とは歯の構造が異なります。犬の口には“裂肉歯(れつにくし)”と呼ばれる、肉や骨を引きちぎったり噛み切るための歯が発達しており、人間のような平らな奥歯はありません。

 裂肉歯

 

また、腸の長さにも差があります。

長い時間をかけて植物を消化する草食動物では、一般的に長い消化管を持っているのに対し、犬の腸は比較的短い傾向にあります。

たとえば、草食動物の牛の腸が約40mあるとされていますが、犬の場合は大型犬であっても約3mほど。もともと生肉を消化するために進化してきたといえるでしょう。 

 

(2)水分と栄養分が豊富

“生”肉だからこその利点もあります。

生肉であれば、加熱していないため豊富に水分が含まれます。

自然にくらべて運動量が少なく、ドライフードの場合はどうしても水分を摂る機会が少なくなってしまいがちです。生肉を摂食することで脱水を防ぐことができ、尿も濃くなりにくいでしょう。

さらに、非加熱のためタンパク質は良質なまま保たれており、一緒に含まれる酵素やビタミン・ミネラルも損なうことなく摂取できます。

 生肉は犬が苦手な炭水化物も少なく、効率的に栄養を摂ることができます。

 

(3)歯の健康維持

生肉は愛犬の歯の健康維持にも役立ちます。

寿命が伸び、シニアになると多くの子の歯が抜けてしまったり、口に痛みが出てご飯が食べづらくなってしまいます。

現代では、2歳になるまでの愛犬のうち約80%に歯周病が見つかったとされ、決して高齢犬だけの病気ではないことが分かります。

参考:

  

若い頃から愛犬が歯周病を発症する理由の1つに、与えているごはんの種類が関係しています。

ドライフードは粒を丸飲みしたり食べ残しが口の中に残ることで、歯垢が付きやすいと言われています。これが歯周病の遠因となってしまうので。

一方で、生肉の場合は良く噛んで引きちぎりながら食べるため歯垢が残りにくく、また噛む回数が増えることで唾液が分泌され、口内環境が整いやすいという効果も期待できます。

また、生肉に含まれる酵素や細菌が口の中の環境を整える働きもあると考えられています。

 

生肉を与える際に気をつけておきたい3つのこと 

ここまでは生肉を愛犬に与えることのメリットを見てきましたが、一方で注意していただきたい点もあります。

ここから先は、注意しておきたい生肉を与える際の注意点を3点ご紹介します。

 

(1)栄養バランスが偏ってしまいがち

人と同じように愛犬の食事においても“5大栄養素”が重要です。

5大栄養素とは、

  • タンパク質
  • 脂肪
  • 炭水化物
  • ビタミン
  • ミネラル

の5つですが、犬もこの5つの栄養素をバランスよく摂取することが健康に長生きさせてあげる上で大切です。

新鮮な生肉にはタンパク質、ミネラルが豊富に含まれています。適度に与えることで健康維持ができるでしょう。

ただし、脂肪や炭水化物、一部のビタミンはどうしても不足がちになってしまうため、皮膚や被毛を健康に保てなかったり、体内に十分なエネルギーを蓄えられなかったりしてしまいます。

 生肉と同時にバランスのよい食事を与えることが重要になります。

 

(2)コストがかかる

生肉の値段がネックとなることがあります。

生肉の種類にもよりますが、1kgあたり2000〜3000円ほどするものが多く、ドライフードと比較すると3〜5倍近く、食費がかかってしまう可能性があります。 

そのため、費用面・栄養面の2つの側面からも、生肉のみの食生活に切り替えるのではなく、普段のご飯や総合栄養食にトッピングしたりご褒美として部分的に与えることをオススメします。

 

(3)保存がむずかしい

最後に、もっとも注意していきたいのが生肉の保存です。

生のため、冷蔵保存では2〜3日で使い切らないと痛んでしまう可能性があります。

冷凍保存であれば長期間、より新鮮な状態で保存することができますが、それでも冷凍庫内のスペースには限りがあります。特に単価を抑えるために何キロものブロックで購入すると、部分解凍ができずにあとから大変になってしまいます。

肉の冷凍保存

冷凍保存は生肉にいる寄生虫を死滅させたり、菌の繁殖を防ぐ上でも有効です。生肉の保存は冷凍庫を推奨します。

 

まとめ

愛犬の食事に生肉を加えることは、本来の食生活を考えるとより自然に近く、様々なメリットが考えられます。

しかし、愛犬に生肉を与える前に、

・栄養バランスを良好に保てるか?

・コストは許容できるか?

・長期保存できる環境は整っているか? については、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

愛犬と末永く一緒に暮らすためにも、ぜひ一度生肉の食事について考えていただければ幸いです!