大型犬に手作りごはんをあげたい!量や食材選びのポイントとは

大型犬は、見た目は大きくて強そうですが、体の面では繊細な部分を持ち合わせている場合も多く見られます。 

「大型犬に手作りフードをあげたい!」という飼い主さんに理由を尋ねると、「よく下痢をするから」などお腹のトラブルを抱えていたり、アレルギーなど皮膚のトラブルに悩んでいたりして、「どうにかしたい」と思って始める方が多いようです。 

大型犬に手作りフードを与えることのメリットやデメリット、手作りフードを与えるときの目安となる量や食材選びのポイントについてお話します。

 

手作りフードのメリット

 「手作りフードにしてから体調が良くなった」という話は良く聞きます。手作りフードのメリットについて見ていきましょう。

便の状態が良くなる

 添加物の入っていない手作りフードは、消化・吸収が良く、便の臭いが少なくなったり、便秘が改善したりと便の状態が良くなることがあります。 

肌の状態が改善することがある

 大型犬はアレルギー体質の場合も多く、皮膚炎などに悩まされることがありますが、手作りフードに変えることで腸の調子がよくなると、次第に皮膚の状態も改善されてきます。 

手作りフードのデメリット

 消化・吸収という意味では優れた手作りフードですが、デメリットがあるのも確かです。

デメリットも知った上で、愛犬と飼い主さんにとって良い方法を考えていきましょう。 

栄養バランスを考える必要がある

 完全に手作りフードにする場合は、飼い主さんが与えたものが全てとなるため、栄養バランスを考える必要があります。 

手間やコストがかかる

 手作りフードは栄養バランスを考えて、様々な食材を準備しなければならない分、手間がかかります。

また、大型犬の場合、食べる量が多いため、どうしても市販のフードよりも費用がかかります。 

手作りフードを与えるときのポイントは?

 手作りフードを与えるときに注意すべきことや与える量の目安、栄養バランスを保つための方法などについてお話します。 

入れてはいけない食材

 人間は食べても大丈夫だけれど、犬が食べると中毒を起こす食材があります。

まずは、愛犬の健康を守るために、手作りフードに入れてはいけない食材を覚えておきましょう。

 

ネギ類

 

ご存知の方も多いと思いますが、ネギ類は犬の赤血球を破壊するため、急性の貧血や血尿を引き起こします。 

ココア、チョコレート 

チョコレートやココアはテオブロミンという成分が、犬の心臓と中枢神経を刺激し、急性心不全や下痢、嘔吐、呼吸困難などの中毒症状を引き起こすことがあります。

ブドウ

レーズンや生のブドウも腎不全の原因となることがあるため与えてはいけない食材です。

 

その他避けた方が良い食材 

イカ、タコ、カニ、エビなどは消化しにくいため、与えないようにしましょう。

また、ハムやソーセージ、カマボコ、ちくわといった加工食品も塩分が多く、消化にも良くないので、避けた方が良い食材です。 

まずは、手軽に出来るトッピングから

 

現在市販のドッグフードを与えている場合、いきなり全てを手作りフードに変えると、腸内環境の急激な変化によって体調を崩す可能性があります。 

また、食物アレルギーを持っている場合、アレルゲンとなる食べ物が分からずに大量に与えてしまうことは、命の危険にも繋がります。 

そこで、まずはいつも食べているフードに、肉や魚、野菜をトッピングすることから始めましょう。 

やり方は、人間が食べるために用意した食材を少し取り分け、茹でていつものフードの上に乗せるだけです。 

トッピングする食材の量の目安は、肉や魚などの動物性食品は、体重5キログラムあたり30グラム程度、野菜類はキャベツ1枚分くらいです。

トッピングをする際には、市販のフードをいつもの3分の2くらいの量にしましょう。

全て手作りフードにするときの量の目安

トッピングに慣れてきたら、徐々に手作りフードに移行します。 

そのとき1日に与える食材の目安としては、動物性食品(肉・魚・卵)は体重5kgあたり70g100gです。

フード全体では6070%が動物性食品、3040%が野菜、穀類は10%以下となるのが理想です。

ビタミンやミネラルなどの栄養面から定期的にハツやレバーなどの内臓も取り入れましょう。

 

手作りフードの注意点の一つとして、カルシウム不足があげられますが、煮干しなど乾物での摂取はリンのとり過ぎになる恐れがあるので、あまりおすすめ出来ません。

サプリメントなどで補った方が良いでしょう。

 

栄養の偏りがないようにとは言っても、毎日完璧を目指す必要はありません。

人間のご飯だって、毎食栄養バランスが整った食事を作るのは難しいものです。

 1週間単位で考え、だいたいバランスよく与えられていて、被毛や健康状態に特別問題が見られなければ大丈夫です。 

愛犬と飼い主さんが心地良いと感じる選択を 

手作りフードのメリット、デメリット、手作りフードを与える際のポイントなどをお伝えしてきましたが、いかがでしたか? 

「手作りフードにしてからすごく調子がいい」「老犬になって食欲が落ち気味だと思っていたのに喜んで食べてくれる」などという声をよく耳にします。 

やはり、添加物や揚げ物調理などをしない食材は、体への負担が少なく、その上素材そのものの味を楽しめることは、犬にとっても嬉しいことなのでしょう。 

一方で、飼い主さんにとっては、栄養面や衛生面の管理、コストなど、それなりに手間や負担になる部分も出てきます。 

「何が何でも手作りでなければならない」と力み過ぎると、食べない食材があることに悩んでしまったり、手間をかけ過ぎて続かず、それが却って心の負担になってしまったりということにもなり兼ねません。 

「愛犬の健康のため」ということを忘れずに、手作りフードを楽しめるといいですね。