いつまで大丈夫?ペット用の肉を冷凍保存するときのポイント
大型犬など沢山食べる動物のために大きなブロックで肉をまとめ買いしたときや、爬虫類や猛禽類のためにマウスやヒヨコなどをまとめて購入したとき、冷凍庫で保存することはありませんか?
購入したものをそのまま冷凍庫に入れている方もいらっしゃるかもしれません。
冷凍すると冷蔵よりも長期間保存することが出来ますが、保存方法によっては鮮度が落ちてしまったり、味が落ちてしまったりすることをご存知ですか?
今回は、鮮度を保ち、味も落とさないための冷凍保存のポイントについてお伝えします。
冷凍保存する際のポイント
お肉を買ってきてから、冷凍庫で保存するまでの注意点についてお話します。
1、新鮮なものを冷凍する
肉をまとめ買いして冷凍する場合、その日に使う分を除き、すぐに冷凍しましょう。
冷蔵庫に入れても、時間が経つほど鮮度は落ち、味も変化してしまいます。
2、小分けにする
ブロックのまま冷凍したり、肉同士が接していたりする状態で冷凍したりしてしまうと、解凍時に少し溶けたものを再冷凍することになってしまいます。
再冷凍は雑菌の繁殖や肉の酸化に繋がるので、1回に使う分量を小分けにして冷凍するのがオススメです。
3.密閉する
肉の脂は、空気に触れることで酸化し、そこから肉が傷む原因になります。
ラップで包んでからジッパー付きの保存バッグなどに入れ、空気を抜いて密閉してください。真空に近い状態にすることで、酸化を防ぎます。
4.急速冷凍する
冷凍されるまでに時間がかかってしまうと、細胞が壊れて水が染み出し、傷みやすくなります。
金属のトレーに乗せて冷凍すると肉に接している部分の温度を下げることができ、冷凍時の傷みを少なくできます。
解凍する際のポイント
冷凍保存したお肉を解凍して使う際の注意点についてお話します。
冷蔵庫または流水で解凍を!
冷凍した肉は、冷蔵庫で解凍してください。冷凍のときとは反対に、冷蔵庫で数時間、じっくり時間をかけることで、ドリップ(肉汁)の流出を防ぎ、鮮度と味を保ったまま解凍することができます。
それでも、「冷蔵庫に入れておくのを忘れてしまった」ということは起きますよね。そこで、食事や調理まで時間がないときは、流水解凍にしてみてください。
電子レンジで解凍する方もいらっしゃいますが、ムラが出来ることがあるので、流水による解凍の方が良いでしょう。
茹でたり焼いたりして使用する場合は、半解凍くらいの方が衛生面、味の面ともによいと言われています。
常温での解凍は最も細菌が繁殖しやすいので避けてくださいね。
解凍がめんどうという方には、市販の解凍プレートを活用するという方法もあります→美味・快傑板(びみ・かいけつばん)
生肉のまま与えるときの注意点
生の状態で肉を与える場合には、肉の温度に注意が必要です。
特にヘビなど変温動物の場合、餌の温度が冷た過ぎると拒食や吐き戻し、食滞の原因になります。
そのような「冷たい肉のまま与えるのを避けたい」という場合には、湯煎で解凍し、解凍直後のものを与えてみてください。
湯煎の温度は、ピンクマウスやピンクラットなら45~60℃、もう少し大きなアダルトマウスなら50~70℃ぐらいが目安です。
お湯が冷たくなったら交換してください。
爬虫類の場合、内臓まで解凍されたものを与えることが重要です。
上から触って、ぷにぷにと柔らかくなれば大丈夫です。
同じマウスでも、フクロウなど猛禽類に与える場合には、食中毒の原因となる細菌の多い内臓はきれいに取り除く必要があります。
解凍の目安として、指で押したときに中が少し硬いくらいにします。
内臓が凍っている状態で処理することで、周りの筋肉部分への細菌汚染を防ぐためです。
内臓を処理した後の筋肉部分は、凍った部分がないことを確かめてから与えるようにしてください。
冷凍保存出来る期間はどれくらい?
肉を冷凍した場合、どれくらいの期間保存出来るのか気になりますよね。
衛生的に保存することが可能な期間は、冷凍庫の性能や肉の種類によって異なります。
冷凍庫の温度について
飲食店などの業務用冷凍庫の温度は、-80℃から-60℃と低温なため、酵素によるタンパク質の分解も抑制でき、脂肪分の酸化も防げるので、きちんと管理されたものなら1~2年程度の長期保存が可能です。
しかし、一般的な家庭用の冷凍庫は、庫内温度が-20℃前後となるため、長くても1~2ヶ月程度を目安に使い切った方が良いと言われています。
また、家庭用の場合、開け閉めすることで、更に冷凍庫内の温度が上がってしまうこともあり、注意が必要です。
特にひき肉は空気に触れている面積が大きく、細菌が繁殖しやすいので、1~2週間で使い切るようにしてください。
こんな肉は避けて!
以下のような状態になっていたら、傷んでいる可能性があるので、冷凍した期間に関わらず、与えないほうが賢明です。
・解凍したとき、肉の色がくすんでいたり、全体的に赤黒くなっていたりするもの
・肉が白っぽいもの(酸化が進むことで起こる「冷凍焼け」の可能性が大きい)
・表面が乾燥しているもの(品質が低下している可能性が高い)
品質が低下した肉を食べるとどうなるの?
品質が低下してしまった肉を食べてしまうと、ペットも人間と同様、食中毒を起こすことがあります。
食中毒を引き起こす代表的な細菌としては、カンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌などがあります。
カンピロバクターやサルモネラは鶏肉に多く付着している細菌で、腸管出血性大腸菌は牛肉などでよくみられます。
食中毒を引き起こす細菌に感染した場合、ペットの命が危険になるばかりか、ペットの排泄物などから飼い主へも感染する恐れがあります。
さいごに
ここまで、ペット用として購入したお肉を冷凍保存するときのポイントについてお伝えしてきました。
冷凍する際は、新鮮なうちになるべく空気に触れさせないようにしながら保存することが大切です。
そして、解凍する際には冷蔵庫や流水など、品質を落とさないために温度管理をすることが鍵となります。
衛生面に細心の注意を払ってペットの健康を守ってあげたいですね!