ペットに生肉を与えることはどんな病気の予防につながるの?
愛するペットに生肉を与えようと、大型犬の飼い主さんをはじめとして、インターネットで調べたり動物病院等で獣医さんに尋ねられる方が増えているそうです。
「生肉を与えてみよう」と考えるきっかけの中には、愛犬にいつまでも健康にいてほしいという想いがあるのでしょう。
実際、愛犬に生肉を与えることは、いくつかの病気の予防につながると考えられています。
では、どのような病気の予防につながるのでしょうか? 今回は特に効果があると考えられている3つをご紹介したいと思います。
生肉で予防できる愛犬の病気①:歯周病
まず、最も効果があると考えられているのは、歯周病の予防です。
大型犬であれば、生肉に慣れてくると多くの子が肉を引きちぎりながらよく噛んで食べるようになります。
すると、ご飯のあとに歯垢がつきにくくなり、口内を綺麗に保つことができます。
加えて、生肉に含まれる酵素や細菌が、愛犬の口腔内の環境を整える働きもあると考えられています。
歯垢が減り、清潔な状態が維持された愛犬の口の中では、歯周病菌は増えづらくなり、歯周病の予防につながるのです。
もともと、ドッグフード主体の食生活では食べカスが口の中に残ることが多く、歯に歯垢が付着しやすくなると考えられています。
一般には歯垢がついてから2〜3日で歯石となると言われています。歯石になってしまうと歯磨きをしても簡単には落とせません。歯にできた歯石は歯周病菌の温床です。
歯周病を避ける上で重要なのは、歯石となる前の歯垢を小まめに落としていくことです。
理想はきちんと歯磨きの習慣をつくり、歯垢を落としてあげることなのですが、正直、歯磨きはみんなができるものではなく、苦手な子も少数ではありません。
そこで、まずはドライフードに生肉をトッピングするところから始めるのをおすすめします。いつものご飯に生肉が加えられていれば、多くの子は喜んで食べてくれます。
自ら生肉に食らいつき、よく噛んで食べることで歯を綺麗に保てるのは、生肉食の大きなメリットといえます。
生肉で予防できる愛犬の病気②:食物アレルギー
次に、生肉を与えることは食物アレルギーを避けることにもつながります。
一般的なドッグフードには、タンパク源として複数の食材由来のタンパク質が含まれていることがあります。
例えば、動物性のタンパク質であれば、鶏肉や豚肉、魚類、卵などであり、植物性のタンパク質としては、大豆や小麦、コーンなどが様々な組み合わせでドッグフードに含まれています。
食物アレルギーとは、フードの中に含まれるタンパク質に対して、愛犬の身体が過剰に反応し、消化管に異常が生じてお腹を下したり吐き戻しが増えたり、また皮膚の痒みや炎症が見られる病気です。
主な治療としては、アレルギー反応が見られるタンパク質を、極力避けた食生活を送らせてあげることです。
その際に、今までに食べさせたことのないタンパク質を与えていく必要が生じます。
先ほど紹介した動物性あるいは植物性タンパク質のうち、どれか1つを主な食材としたドッグフードが、食物アレルギー治療用のご飯として作られていますが、その多くがまだまだ嗜好性に課題があり、愛犬の食いつきがよくないものも少なくありません。
そこで、アレルギー検査で反応が見られなかった生肉を、タンパク源として与えてみてはいかがでしょうか?
牛肉や豚肉、鶏肉だけではなく、馬・鹿・羊・七面鳥・鴨などの生肉もペットフード用として市販されておりバリエーションは豊富ですので、食物アレルギーを発症していても、多くのケースでタンパク源として与えられる生肉があると考えられます。
生肉で予防できる愛犬の病気③:肥満
最後にもう1つ、愛犬に生肉を与えることで予防できる病気として肥満が挙げられます。
愛犬にとっても肥満はそれだけで病気と言え、さらには人間と同じようにさまざまな病気の原因にもなり得ます。
本来、犬は肉食動物です。
そのため、生肉のような動物性タンパク質を消化・吸収するのに最も適した身体を持っていると言えます。
また、生肉には必須アミノ酸や酵素が豊富に含まれており、同時に摂取することで、脂肪のつきにくい筋肉質な身体を維持することができます。
筋肉質な身体になると、愛犬の基礎代謝が上昇するため、普段と変わりない運動量であってもカロリーを消費でき、太りにくくなるでしょう。
もちろん、生肉を与えるようになっても、摂取カロリーを大幅にオーバーするような与え方では愛犬が太ってしまいます。
そのため、与える量に注意は必要ですが、生肉を与えることで愛犬の身体が太りにくくなれば、それによって多くの病気や異常を回避することができるためオススメです。
まとめ
今回は、生肉を愛犬に与えることで予防できる病気についてご紹介しました。
中でも効果的と考えられているのは、歯周病、食物アレルギー、肥満の3つでしょう。
これらの病気を回避することは、さらに他の病気や身体の異常を引き起こさずに健康を維持する上で大切と言えます。
もちろん、新鮮ではない生肉は衛生管理上別の問題を引き起こしますので、生肉をあげる際にはぜひ新鮮なものをご使用ください。保存する必要がある場合は、ぜひ酸化や最近の活動を抑制できる低温冷凍での保管をおすすめします。
愛するペットに生肉を、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?