猫がお刺身好きな理由と、与えるときのポイント

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「可愛い愛猫におねだりされるから、ついお刺身をあげてしまう」という飼い主さんは多いと思います。

 

そもそも、どうして猫はお刺身が好きなのでしょうか?

また、何をどれくらいまで与えても良いのかというのも気になるところだと思います。

 

猫の体や味覚の特徴に注目しながら、お刺身が好きな理由をみていきましょう。

また、与えても大丈夫な魚の種類や適した量、お刺身を与えるときの注意点についてもお話します。

 

どうしてお刺身が好きなの?

 

猫がお刺身を好んで食べる理由として、以下のようなことが考えられます。

 

理由1:肉や魚などタンパク質の味や匂いを好む

 

猫は肉食動物なので、人間や草食動物よりもアミノ酸を敏感に感じることが出来ると言われています。また、猫は嗅覚が発達しており、匂いにも敏感なため、冷えたものであっても、好みの食べ物の匂いを嗅ぎ分けることが出来ます。

  

理由2:脂が好き

 

猫は脂の舌触りを好みます。

そのため、脂の多いサーモンやブリのお刺身が大好きという猫も多いです。

 

うちの猫は甘党?

 

余談ですが、中には「甘い匂い」が好きな猫もいるようです。

猫の舌には甘味を感じる細胞がないため、甘味は分からないと言われています。

 

「うちの猫は甘党だ」という話を聞いたことがありますが、それは恐らく、味ではなく、匂いが好き、もしくはお菓子に含まれる脂の舌触りが好みなのではないかと考えられます。

 

このように、猫は甘味ではなく脂を好むため、薬を飲ませるときや診察台に乗せるときには、バターを塗ることで、嫌がらずに薬を飲んでくれたり、診察を受けさせることが出来たりします。投薬や動物病院の受診で苦労されている方は是非「バター作戦」を試してみてください。

 

理由3:日本の食文化とも関係している?

 

海のない地域では、野良猫はネズミやカエルを取って暮らしています。

海があっても、猫が自分から魚を狩りに行くことはありません。

日本は島国で昔から漁をする文化があるため、日本の猫は古くから魚を食べているのです。そのため、日本に限らず海のある国では、猫は魚が好きというイメージが定着しているようです。

 

 

お刺身を与えるときのポイント

 

猫にお刺身を与えるときのポイントについてお伝えします。

 

イエローファットとチアミン欠乏症

 

この言葉は勉強熱心な飼い主さんなら、耳にしたことがあるかもしれません。

どちらも生の魚介類を大量に摂取することで起こる病気です。

 

イエローファット(黄色脂肪症)は、青魚を常食することで皮下の脂肪組織に炎症が起こって硬くしこりになり、発熱と痛みを伴うため、猫が不自然な歩き方をすることがあります。

 

チアミン(ビタミンB1)欠乏症は、イカ、タコ、甲殻類、貝類に含まれるチアミナーゼによって引き起こされます。重度になると神経症状が出てフラフラと歩くなどの症状がみられます。この様子から、「イカを食べると猫が腰を抜かす」と言われることがあります。

 

このような説明を聞くと、猫に生の魚を与えることをためらってしまうかもしれませんが、通常、おやつとして与える程度で、これらの病気になることはまずありません。

必要以上に怖がらなくても大丈夫です。

 

イカやタコは避けたほうがよい

 

一口食べたからといって、病気になることはありませんが、イカやタコは硬く、消化に悪いので、避けた方がいい食材です。

 

貝類はNG

 

貝の中には少量でも中毒を引き起こすものがあります。

 

貝の内臓(特にアワビやサザエ)の中腸線という部分には、貝が食べた海藻が分解されて蓄積しているのですが、それを猫が食べてしまうと光線過敏症を引き起こすことがあります。

 

光線過敏症は耳に炎症が起こることが多く、酷い場合には耳の一部が脱落してしまうこともあります。

 

また、貝はイカ、タコと同様に消化の点からも良くないため、与えないようにしましょう。

 

ぜひ新鮮なものを

 

人間と同様に鮮度が落ちたお刺身は食中毒の原因になります。

 

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青魚は常温で放置すると、ヒスタミンという物質が蓄積し、じんましんなどの症状が出る「ヒスタミン中毒」の原因になります。

ヒスタミンは加熱しても分解されないため、「少し古くなったけれど、火を通せば大丈夫」という考えはとても危険です。

 

殻や骨は取り除く

 

エビの尻尾や魚のアラ、小骨などは喉に刺さってしまうことがあるので、与えないようにしましょう。

 

適切な量は?どんなお刺身なら大丈夫?

 

1回のおやつとしての適量は、人が食べるお刺身一切れ程度です。

 

魚の種類は、マグロやカツオ、タイなどが良いでしょう。

 

サーモンやブリは脂が多めなので、少し量を控えめにしましょう。 

 

お刺身を愛猫と飼い主さんの心の栄養に

 

「猫には、完全に栄養が計算されたキャットフードのみを与えるべき」とする考えもありますが、高齢猫や食欲がないときなど、「ほとんど何も食べないけれど、お刺身なら食べる」という話もよく聞きます。

 

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かかりつけの動物病院との相談にはなりますが、「少量でも食べられるならば、好きなお刺身を食べさせてあげる」という選択肢もあるのではないかと思います。

 

動物は機械ではありません。

好きなものを食べることで食欲が戻ることもありますし、何も食べてくれないのと、少しでも食べてくれるものがあるのとでは、飼い主の心の負担も違います。

 

栄養が偏ったり病気の原因になったりすることから、猫にお刺身のみを与えることはお勧め出来ませんが、普段はキャットフードを中心に、お刺身は食欲のないときの栄養の補助やおやつとして与え、猫との時間を楽しんでください!