何をどうやって食べさせればいいの?フクロウに適した餌の種類と与え方
フクロウを飼うときに、一番気になるのは「何を食べさせたら良いのか?」という餌の問題ではないでしょうか。
また、餌の量や頻度はどうすれば良いのでしょうか?
餌の種類ごとに特徴を見ていきましょう。
食餌量や頻度、与えるときの注意点についても解説します。
これからフクロウを飼いたいと思っている方、フクロウを飼い始めたばかりの方、必見です!
フクロウの餌の種類
フクロウの餌としてよく与えられているものは、ひよこやウズラなどの小鳥、ラットやマウスなどのげっ歯類、ミルワームやコオロギなどの虫が挙げられます。
ひよこ・ウズラ
ひよこは、海外でよく餌として使用され、日本でも冷凍のものが販売されています。
ヒヨコのお腹の中には「卵黄嚢」、いわゆる黄身にあたる部分があり、栄養になるとされていますが、その分細菌が繁殖しやすいとも言えます。
よほど新鮮なものでない限り他の内臓と一緒に取り除いた方が良いでしょう。
内臓を取り除いた状態では、身の部分がかなり少なくなるので、マウスなど他の餌と併用するなど与え方を考える必要があります。
ひよこに比べると、栄養価の面ではウズラの方が優れていると言えるでしょう。
スーパーで売られているお肉はダメ?
「内臓を取り除くなら、スーパーの鶏肉でも一緒じゃない?」と思われるかもしれませんが、スーパーで売られているお肉は、生臭さを取り除くことや冷蔵で品質を維持することを考えて「血抜き」をしています。
また、骨も取り除かれており、筋肉のみを与えることになるため、スーパーのお肉だけだと、ミネラルやビタミンなど栄養が不足してしまいます。フクロウの餌として与えることは、栄養面からおすすめ出来ません。
げっ歯類
ネズミやラットなどのげっ歯類も冷凍で販売されているものが殆どで、マウスは生まれてからの期間によって呼び名が変わります。
早い順からピンク、ファジー、ホッパー、アダルト、リタイアと呼ばれ、それぞれ微妙に栄養バランスが異なると言われていますが、基本的には高カロリーで脂肪分多めです。
マウスは毛ごと与えることも多く、ペレット(不消化物の塊)の成分になりやすいため、毛の多いマウスばかり与えてしまうと胃腸に負担がかかることがあります。
フクロウの体の大きさや好みにもよりますが、ペレットが気になる場合は、毛の少ないピンクマウスが良いでしょう。
虫
コオロギ、ミルワール、デュビア、シルクワームなどが販売されています。
虫は栄養としては、脂質が多く、リンとカルシウムのバランスも悪いため、常食することはおすすめ出来ません。
時々おやつとして与えるくらいにした方が良いでしょう。
餌を与える際のポイント
フクロウに餌を与えるとき、適切な回数や量はどれくらいなのか悩むこともあると思います。
ここでは、フクロウに餌を与えるときの頻度と量、下処理の際の注意点などについてお話します。
餌やりの頻度と量
餌やりの回数ですが、小型のフクロウの場合は、一日1~2回、大型のフクロウの場合には、一日1回でも大丈夫です。
量は、体重の15~20%くらいを目安に与えてください。
大型のフクロウの場合は、体重の10%くらいで良いこともあります。
しかし、フクロウの種類によっては体重の半分もの食餌量を必要とするものもいます。
飼育環境や運動量によっても適切な食餌量は異なりますので、頻繁に体重を測りましょう。
フクロウは羽で覆われているため、痩せてしまっても気付かないことが多く、日々の体重測定は重要です。
最初のうちは、体重計に乗せるのが難しいこともあるかもしれませんが、体重計に乗ったらおやつを与えるなどして徐々に慣れさせていきましょう。
餌の鮮度の見分け方
フクロウは、爬虫類など同じようにひよこやネズミを餌とする動物に比べ、感染症に弱く、病気として上位に入るのが食中毒です。
そのため、餌の鮮度に注意する必要があります。
鮮度の見極めポイントは、解凍したときの、肉の色です。
鮮やかなピンクや赤色なら新鮮だと思って良いでしょう。
一方くすんでいたり、全体的に赤黒くなっていたりする場合は、鮮度が悪い可能性が高いです。
そのような肉は、与えないでください。
肉が白っぽい場合は、冷凍焼けです。
冷凍焼けは、冷凍庫を開けたり閉めたりすることで、餌の水分が抜け、そこに空気が入り込むことによって酸化が進むことで起こります。
人間が食べるお肉はスーパーに並ぶまで、衛生管理がある程度しっかりなされており、更に食べるときには加熱するため、「冷凍焼けは、風味は落ちるが食べても大丈夫」と言われることもあります。
しかしながら、フクロウに与える場合、それまでの品質管理がきちんとされているか不明なことや生で与えることから冷凍焼けした餌は与えない方が良いでしょう。
火を通しちゃダメ?
「食中毒が怖いなら火を通せば良いのでは?」と思われるかもしれませんが、元々、火の通ったものを摂取する習慣のないフクロウに熱で変性したタンパク質を与えると、消化管に負担がかかり下痢の原因となってしまいます。
「鮮度が心配だから」「少し古いけれど勿体無いから」などと火の通った肉を与えることはやめましょう。
電子レンジを使って解凍する際にもかけ過ぎに注意が必要です。
餌の下処理
フクロウに餌を与える際は、新鮮なものを与えることに加え、細菌の多い腸などの内臓をきれいに取り除くことも重要です。
餌を解凍するときには、出来る限り細菌を増やさないように、冷蔵庫での解凍をおすすめします。
急ぎのときは流水で解凍してください。
解凍の目安として、指で押したときに中が少し硬いくらいが良いでしょう。
これは、細菌が沢山含まれている消化管を出来るだけ傷つけないで取り除くためです。
内臓が凍っている状態で処理することで、周りの筋肉部分への細菌汚染を減らすことが出来ます。
処理済みの餌について
人間が食べる「食品」と違い、動物用の餌には、衛生管理に関する決まりが殆どありません。
「処理済み」として内臓やクチバシなどを取り除いた状態で販売されているものもありますが、きちんと衛生的に処理されているという保証はありません。
出来るだけ与える直前に下処理することをおすすめします。
どうしても難しい場合は、においや色をよく確認し、少しでも気になるところがあるときには与えないようにしましょう。
さいごに
フクロウの餌について、種類や与えるときのポイントなどをお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
餌の見た目や下処理に始めは少し抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、そこに慣れてしまえば、それほどお世話に時間がかかることもなく、犬猫より却って楽だと感じることもあるでしょう。
体重測定など健康管理をしっかり行い、フクロウとのスローライフを楽しんでくださいね。